しあわせの雨傘


私の大好きな仏の映画監督、フランソワ・オゾンの最新作を見てきました。
原題は「POTICHE」「棚や暖炉の上に飾られる、贅沢で豪華だが実用性のない花瓶や壺のこと。転じて、美しいが夫の陰に隠れ、自分のアイデンティティーを持たない女性に対して軽蔑的に用いられる。」言葉だそうです。
ドヌーブ演じるスザンヌは飾り花瓶のような存在だ。と夫や子供から言われ、夫が病に倒れ、経営する雨傘工場の経営を立て直すことで、自信が出てきてどんどん積極的に自分の人生を切り開きます。70年代の背景で、まだ女性が抑圧されていた時期なのに大胆に幸せを掴んでゆくというお話は見ていて爽快。

オゾンはひとくせある人間模様を表現するのが得意なのでとっても好きな監督さんなのですが、今回はまた大物女優を主役にしてどんな展開を見せてくれるかと思いましたが、素晴らしいです。
それにしても「しあわせの雨傘」という邦題はずるいというかうまいというか、ドヌーブが雨傘といえば「シェルブールの雨傘」が象徴であって、今回も雨傘のお話だからってあえて題名に取り入れたのでしょうね。40年以上経って、ドヌーブが同じ雨傘のお話でどう演じるかって興味が出ます。
実際に映画館は定員いっぱいで大人気でした。もちろんシェルブールの続編では無いのですが、どこかにそういう要素があるんじゃないかってつい勘ぐって見てしまうところも。

70年代の服装や内装が今の私にはとっても新鮮で素敵でした。エレガントで華やかで。時代を振り返っているにも関わらず、新鮮でした。今流行っているものってセレクトする方もデザイナーも色使いやデザインに自信がないような印象があります、ただ自分のツボなものが見つけられないだけかもしれませんが…。色もデザインもカラフル度が弱い気がしますね。程よい刺激が欲しいだけなのかな。。。とも思いますが。
映画に出てくる衣装はどれも華やかで素敵でした、いいな〜ああいう着こなし、とかなり刺激されました。
映画を見て、ファッショナブルな着こなししたいな〜と無性に感じてしまう作品でした。