クリスマスの夜に


母がクリスマスの夜に永眠しました。64歳でした。
小さい頃、クリスマスはAndy Williamsのレコードをかけてごちそうを食べるのが
我が家のクリスマスの夜の過ごし方でした。


平均寿命を達成出来なかった母。まだまだこれから楽しくなるところだったのでは無いかと思うととても悔しいです。

母は膵臓がんという自分の病名を11月に知った時、残されている時間がわずかだということを察した母は、
そういう運命だったのね、仕方無いわね。と、静かに私に言いました。
隣でたまらなくなって泣く私に、「泣く事は無いのよ…。」と。
併せて、「64歳、ヘップバーンと同じ寿命だわ。」と。
悲しいときにもほんの少しでも前向きな方向にもっていくのが得意な人でした。
この時ばかりはこの人強いな〜と驚きました。
そして病気を発症してからクリスマスの夜まで、お見舞いに来た私達や友人の前では涙を一度も見せませんでした。

元気だったころは、私が一人娘だという状況をいつも心配し、父と母が何かあった時は…と、会う度にそんな話ばかりを繰り返していました。



故人は思いだしてもらえることで慰められるそうだけど、たまに思い出してね。
私は無宗教だし葬儀は家族で小さく。法事は要らない、お墓も要らない。

といつも私に話していた母。クリスマスの夜という日に旅立っていくなんて、絶対忘れられない日に…。
なんて出来過ぎた話なんでしょうか。母らしいな〜と思いました。

全てが計画的過ぎる、ただタイミングがあまりに早過ぎる…。
この悲しみは時間が解決してくれるのでしょうか…。


この花束は、母に最後に贈った私からのプレゼント。
かつて誕生日や母の日に私が贈るアレンジメントに個性的な花が入っているのを見るときゃっきゃと乙女の様に喜んで写メしていたので、季節の花で個性が強い花同士のアレンジに。きっと気に入ってくれたことでしょう。


葬儀の後、お友達が悲しむ私に連盟で贈ってくれたお花。
凄く嬉しかった。

ささっとこんな風に、勇気づけてくれる。そんなお友達が居て〜あなたの人脈ね!やるわね〜♡

と、喜ぶ母の声が聞こえてくるようです。


ママ、どうぞ安らかに。
お疲れさまでした。

感謝の気持ちは言い切れない程に、感謝しています。